園芸・渓流釣り・温泉

「東谷単独釣行・・・1年目」



東谷は黒部川下ノ廊下のほぼ真ん中に位置している。

 東谷に行くには黒部川下流の、黒部渓谷鉄道の「欅平」から水平道を黒部川
沿いに上るか、上流の大町の「扇沢」から黒四ダムを経て同じく水平道を下るかの
2通りの方法がある。

前にも書いたが、水平道(日電歩道)は、人を寄せ付けない残雪の障害が真夏
以外は通年有る場所で、何か用事の無い人は別にして、仕事が有って数日の
休みを利用して行く人にとっては、8月中旬の盆休みの1年に一度しか行けない
場所にあった。

普通は単独で釣行することを躊躇するかも知れないが、未知の物への好奇心と
期待で「何としても東谷の2連の滝を越えてみよう。今度は独りで!」という私の
考えに変わりはなかった。

昨年のKちゃんと行った釣行は中途半端なのである。予期しないアクシデントとか、
行く手を阻む場面に遭遇したとかならばともかく、少し頑張ればなんとか行けそうな
感じのところを、止むを得ず引き返してしまった事が残念であった。

あともう少しのところで目的を果たせないで断念したことは、さらに未練で再度挑戦
したくなるものだ。

ある冒険家(笑われるかも知れないが私にとっては冒険)が言っていた。

「目的達成途中での断念は再び遂行したくなるが、無理をしないで引き返す勇気
は必要! チャンスは作るもの。」 





日電歩道(水平道)

写真のような落差の日電歩道は少ない。部分的にアップダウンが現れる。
真夏である。重いザックを背負って歩いていると汗が吹き出てくる。一つの
目的に向かって黙々と歩くが、登り坂になると、かなりキツかった。



 





どうしても、「東谷」の黒部川との出合近くにある2連の8mの滝を越えて東谷
核心部を、この目で見たいと思った。

大体の要領は得ているので道具や装備は揃っている。期日はやはり8月中旬が
狙いだ。今度は黒四ダムから下る計画を企てた。


「扇沢駅」から「黒四ダム駅」までのトロリーバスはトンネル内を走る。

以前に二度利用したことがある。一度は黒四ダム観光バスツアー、二度目は毛バリ
釣りの仲間と黒部川上流の釣行である。

黒部上流の釣りで印象に残っているのは、あいにくの雨の中を黒部ダムの登山道を
左岸から右岸へ船で渡ったこと。それから、東沢山小屋の上流でヘチに放り込んだ
毛バリを40センチぐらいのイワナが跳び付いたことである。数センチの浅瀬に大物が
潜んでいるとは想定外、合わす間もなくバレてしまった。

あとは、帰路、全員疲れていて、たまたま船頭にお願いして左岸の出来るだけダム
近くの船着き場まで融通を利かしてもらったことである。

また、この時イワナの刺身を初めて食べた。川魚は体内に小さな虫が居るとよく言わ
れる。まして、中・下流のものは生で食べる気はしない。ここは黒部川上流だからと
食べてみた。釣ったばかりのイワナは身が柔らかい。

仲間に慣れた者が居た。イワナは包丁で捌かれ、玉網に入れて冷たい川の水で
晒され、丁度良い硬さになった。

「ワサビが有ればな、、、。」と言うと、目の前にワサビが出てくる。用意周到である。
このイワナの刺身は旨かった。


「扇沢駅」では登山者が多いためか、人間と登山ザックを区別された。「黒四ダム駅」
で降車のときに、別車両に積まれた荷物を受け取る仕組みだった。

ザックを背負い、改札口からダムの排水溝沿いに降りて黒部川に架かる橋を左岸に
渡った。ここからが、黒部川下ノ廊下の出発点だ。ダム放水前で黒部川本流の流れ
の水量は思ったより少ない。

アップダウンを繰り返し歩いた。途中に崩れたような岩場があった。歩きながらよく見ると、
大石のゴロゴロ崩れたらしい場所に花が手向けてある。遭難者の供養だろう。この場所
で岩が上から落ちてくれば一たまりもない。

遭難者に手を合わせて通過した。真夏なので直射日光の下は結構暑かった。




 













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